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かなやま幼稚園ブログ

園のようす

4月のごみひろい

こんにちは!
今回は4月のごみ拾いの様子をお伝えします📸

こういうのことをこれ見よがしに見せびらかすのをあまり好む性分ではないのですが、
ありがたいことに周囲からの声もいただきまして紹介しています
(この回はご関心が無い方はお読み飛ばしください🤤)

本日もお声がけいただいた保護者のみなさんありがとうございました☺

今月はこれくらい!
ごみ捨てはバスの先生にお願い!🥺


↓ここから先はお時間のある人向け

ごみ拾い中の思考コーナー

ごみ拾いをしていると、自然と無心になっていきます。
山登りや散歩などと同様に、スマートフォンや娯楽の喧騒から一歩離れた瞬間に初めてその感覚を感じることができるものかなと。
無心で物事に向き合うと、自己を超えた視点が開け、他者や社会に対する深い倫理的な問いが心に浮かんできます。
このようなひとときこそが、私たちが本来持っているべき倫理観を見つめ直すきっかけとなるのではないでしょうか。


らぬものはならぬ」
「ならぬものはならぬ」という言葉をご存じでしょうか?

ごみのポイ捨ては、もちろん法律や条例でも禁じられておりますし、多くの方が「してはいけないこと」と認識しているはずです。

けれども、日常の忙しさの中で、「これくらいなら…」「誰も見ていないし…」と、ついその線を越えてしまうこともあるのかもしれません。

そんなときこそ思い出したいのが、「ならぬものはならぬ」という言葉です。
たった七文字のこの言葉には、今もなお、人の心に訴えかける力があります。

これは、かつて会津藩の子どもたちが守っていた「什の掟(じゅうのおきて)」の一節で、
「たとえどのような理由があっても、してはならないことはしてはならない」
というまっすぐで妥協のない教えとして伝わっております。

現代社会においては、この言葉は一見すると少し堅苦しく感じられることがあるかもしれません。
現在は「多様性」や「個人の自由」が大切にされ、物事を一律に「善」か「悪」かで判断することには慎重さが求められる時代です。
白黒をはっきりとつけすぎることは、時に「古くさい」あるいは「不寛容」と受け取られてしまうことさえあります。

実際、「什の掟」の中には「戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ」といった、現代の感覚からすれば時代にそぐわないと思われる内容も含まれています。
すべてを現代にそのまま当てはめることは、たしかに難しいことかもしれません。
けれども、「ならぬものはならぬ」という最後の一文は、今もなお私たちの心にとどめておくべき一節のように感じます。

この言葉には、言い訳を超えた「けじめ」があります。
たとえ周囲の空気が緩やかであっても、自分自身の中に「これはしてはいけない」と言い切れる軸を持つこと。
誰かに見られていなくとも、損得の計算をしてしまいそうなときでも、心のどこかにある
「本当はいけないと分かっている」
という感覚に素直に従って生きること。

それは、自分自身に対する誠実さであり、また他者からの信頼の礎でもあります。

たとえば、ポイ捨て。
たとえば、いじめ。
たとえば、誰かを傷つけるような言葉や態度。

そのような場面において、
「誰にも見られていないから」
「これくらいなら大丈夫だろう」
ではなく、「それは、ならぬ」と言える感性を育てることは、どの時代であっても、私たちが人として大切にしていきたい姿勢ではないでしょうか。

「ならぬものはならぬ」。
この言葉は、私たちがより正しく、誠実に生きていくための、シンプルで力強い道しるべのように思われます。
古い言葉ではありますが、決して古びた教えではありません。
むしろ、価値観が揺れやすい今の時代だからこそ静かに心に灯しておきたい、そんな教えであるように感じられます。


什の掟(じゅうのおきて)とは?

▷ 歴史的背景
「什の掟」とは、江戸時代後期、福島県会津藩で実施されていた子どもたちの自主的な教育規範です。
「什(じゅう)」とは、おおむね6〜9歳の男子10人前後で構成された子どものグループのことを指し、彼らが日々の生活を共にしながら、礼儀・節度・規律を守ることを目的としていました。
この什の活動には大人は関与せず、子どもたち自身で掟を読み合い、違反者には話し合いや謝罪を求めるなどの自律的な運営がなされていたと伝えられています。

▷ 什の掟の内容(例)
以下は、伝えられている「什の掟」の代表的な内容です。
現代においても生きるにあたって大事な心構えが随所に見られますね。

1.年長者の言うことに背いてはなりませぬ
2.年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
3.嘘をついてはなりませぬ
4.卑怯なふるまいをしてはなりませぬ
5.弱い者いじめをしてはなりませぬ
6.外で物を食べてはなりませぬ
7.外で女性と話をしてはなりませぬ
8.ならぬことはならぬものです

▷ 教育的意義
「什の掟」は、単なる禁止事項ではありません。
当時の会津藩は、「礼節」と「誠実」を非常に重視しており、「人としてどう生きるべきか」を小さなうちから身体で覚えさせることを目的としていました。
特筆すべきは、大人が強制的に押し付けるのではなく、子どもたち自身に判断と責任を委ねていた点です。
掟に違反した者がいた場合、什の仲間で話し合い、必要に応じて謝罪や反省の機会を設けていたとされ、まさに自治と共生の学びがそこにありました。