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かなやま幼稚園ブログ

園のようす

かけっこの練習

こんにちは!
今回はかけっこの練習の様子をお伝えします📸

運動会の競技のひとつでもある、かけっこの練習が始まっています🏃
先生の「いちについて」「よーい、どん!」の掛け声に合わせて、一斉に走り出します
ひよこぐみさんから年長さんまで、それぞれの力でゴールを目指して一生懸命に走っています
最後まで走りきろうとするみんなの姿を見ると、運動会が少しずつ近づいていることを感じますね
本番に向けて、これからも楽しく練習していきましょう☺

くと走る
運動会が近づくと、園庭では走る子どもたちの姿がぐっと増えてきます。

リレーで一生懸命に走る年長さん。
友だちを追いかけて園庭を駆け回る年中さん。
先生のところまで楽しそうに走ってくる年少さん。

どれも同じ「走る」ですが、よく見ていると走り方は一人ひとり違います。
そもそも、歩くことと走ることは何が違うのでしょうか。

「走るほうが速い」
たしかにそうなのですが、実は運動学的には、単純な速度の違いではありません。

■歩くと走るの違い
歩行と走行を分ける分かりやすい特徴の一つが、地面に足がついている時間です。
歩いているときには、右足から左足へ体重を移す途中で、両方の足が同時に地面についている瞬間があります。
これを「両脚支持期」といいます。

一方、走るときには、両足が地面から離れる「滞空期」が生まれます。

つまり、
歩くときには、どちらかの足が地面についている。
走るときには、一瞬、体全部が空中に浮く。

少し専門的に見ると、ここに歩行と走行の大きな違いがあります。
大人になると何気なく行っていることですが、考えてみれば不思議です。

走るという動きは、一歩ごとに片足で地面を押し、体を空中へ送り出し、次の一歩でまた自分の体を受け止めることを繰り返しています。
なかなか複雑な運動なのです。

■「走れる」ようになるまで
さらに興味深いのは、歩き始めた子どもが、ある日突然、大人と同じように走り始めるわけではないことです。
歩行から走行へ移っていく時期を調べた研究では、最初から一歩ごとに安定した滞空期が現れるのではなく、ときどき両足が地面から離れるような、跳ぶことと走ることの中間の動きが確認されています。

歩く。
少し速く歩く。
一歩だけ体が浮く。
また歩く。
やがて、それが連続していく。

そうして少しずつ「走る」という運動になっていきます。
私たちは「歩ける」「走れる」と言葉では二つに分けていますが、子どもの身体の中では、もっと連続的に動きが変化しているようです。

■3〜4歳頃の走り
文部科学省の「幼児期運動指針」では、3〜4歳頃は、基本的な動きにまだ力みやぎこちなさがありながら、さまざまな経験を通して身体の動かし方が少しずつ上手になっていく時期とされています。

走る姿にも、それがよく表れます。

腕を横に広げるようにしてバランスを取ったり、腕振りがまだ小さかったり。
一歩一歩が細かく、体が上下に大きく動いたり。
前に進むことより、まず転ばずに走り続けることに身体全体を使っているような姿もあります。

運動学では、こうした動きが目的に合わせて少しずつ滑らかになっていくことを「動きの洗練化」と捉えます。

この頃には、速さを求めること以上に、
走ってみる。
追いかける。
逃げる。
止まる。
また走り出す。
そんな経験をたくさん重ねること自体に意味があります。

■4〜5歳頃になると
経験が積み重なるにつれて、走り方にも変化が現れてきます。

左右の脚の動きに腕振りが合ってきたり、蹴った脚が自然に後ろへ上がったり、一歩の幅が少しずつ広がったりします。
ただ脚を交互に出していた走りから、腕、脚、体幹が連動した全身運動へと変わっていきます。

ここで関係してくるのが「協応動作」です。
身体のいくつもの部分を、目的に合わせて協調させる動きのことです。

走りながら友だちをよける。
鬼を見ながら進む方向を変える。
遊具の手前で速度を落とす。

園庭での鬼ごっこなどを見ていると、子どもたちは単に前へ走っているわけではありません。

見る。
判断する。
速度を変える。
方向を変える。
止まる。
また走る。

かなり高度なことを、遊びの中で繰り返しています。

■5〜6歳頃の走り
5〜6歳頃になると、それまで少しずつ経験してきた動きが組み合わさり、走りもさらに滑らかになっていきます。

腕振りが前後方向にまとまり、脚の蹴り出しも前進する力につながりやすくなります。
接地している時間が短くなり、空中にいる時間が増えていくという研究結果もあります。

一歩の長さを示す「ストライド」と、一秒間にどのくらい脚を回転させるかという「ピッチ」も走速度に関係します。

大きく一歩を出せばよいわけでも、脚だけを速く動かせばよいわけでもありません。
身体が成長し、動作が洗練され、ストライドとピッチの両方が変化していく中で、走る速度も高まっていきます。

年長さんのリレーを見ていると、年少さんの頃とはずいぶん走り方が違います。
数年間の園生活の中で積み重ねてきた運動経験が、こういうところにも表れているのだと思います。

■幼児期に育てたい「走る力」
では、幼児期にはどんな走る力を育てたいのでしょうか。
決してタイムを競うだけが「走る力」ではないことをお伝えしたいと思います。

たとえば、まっすぐ速く走る力も、その一つです。

けれど園生活では、
思い切り加速する。
必要なところで減速する。
ぴたりと止まる。
方向を変える。
人や物をよける。
相手を見ながら走る。
速さを調整する。
長く走る。
走ることと跳ぶことを組み合わせる。

こうした力も同じくらい使っています。

少し専門的な言葉では、身体の動きを状況に合わせて変える「運動調整能力」と捉えることができます。
文部科学省の幼児期運動指針でも、幼児期には特定の運動だけを繰り返すのではなく、多様な動きを遊びの中で経験することが重視されています。

鬼ごっこは、その典型かもしれません。
全力で逃げていたと思ったら急停止する。
友だちの動きを見て方向を変える。
少しゆっくり近づいて、一気に加速する。

陸上競技のように「速く走る練習」をしているわけではありません。
それでも、走るために必要な身体の使い方をずいぶん経験しています。

■「速い」だけではない走る力
もちろん、運動会で一生懸命走る姿や、去年より速くなった姿を見るのもうれしいものです。
けれど幼児期の運動発達を考えると、タイムという数字の裏側にある動きにも目を向けてみると、また違った成長が見えてきます。

以前より腕を自然に振っている。
転ばずに方向を変えられる。
友だちとの距離を見ながら速度を調整している。
走ったあとに自分でしっかり止まれる。

こうした一つひとつも、立派な「走る力」です。
そして、その発達の仕方や時期には当然ながら個人差があります。

幼児期に必要なのは、完成されたフォームを早く身につけることよりも、思わず走りたくなる遊びの中で、いろいろな走り方を経験することなのだと思います。

園庭をただ走り回っているように見える時間。
その中では、加速し、止まり、曲がり、よけ、また走り出すという、とても豊かな運動経験が繰り返されています。
運動会のリレーももちろん大切ですが、そのずっと手前にある毎日の鬼ごっこや外遊びもまた、子どもたちの「走る」を少しずつ育てている時間なのだと思います。