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かなやま幼稚園ブログ

園のようす

講演会のお知らせ【幼稚園の発掘物】

こんにちは!
今回は坂戸市教育委員会さんの考古学講演会のお知らせです👓

今回、幼稚園から発掘された土器のお話を中心に講演会が実施されます😯
ご興味のある方は以下の通りですので足をお運びください!

          記
内 容:『土器づくりのムラ-考古学が紐解く坂戸の歴史-』
日 時:令和6年2月18日(日)14:00~16:00
場 所:坂戸市文化会館 平成の間
定 員:100名(定員次第締め切り)
主 催:坂戸市文化団体連合会

坂戸市には越辺川や高麗川による豊富な水と肥沃な沖積平野に恵まれ豊かな生活が営まれ、旧石器時代(約15,000年前)から中近世に至る多くの遺跡が点在しています。
その数は170以上を数えています。
発掘された遺構からは様々な遺物が出土しますが、本公演では「土器」を中心にお話します。
特に、坂戸市南東部の中小坂地区に広がる上谷遺跡での発掘調査結果は、この地で土器の製造が「生業」として大々的に行われていたという興味深い事実が明らかになりました。
遺跡の年代・生活様式の復元、年代の物差しとなる土器などに触れながら、類例のない中小坂地区に約1500年前に存在した「土器づくりのムラ」の全容を紹介します。


以下、以前の記事です
お時間ある方はご覧ください🙇

【社会科見学】坂戸市歴史民俗資料館に行ってみた

こんにちは!
今回はいろいろあって坂戸市民俗資料館に行ってまいりましたので
備忘録も兼ねてその様子をお伝えします

かれこれ1年前に坂戸市のご依頼で園庭で発掘調査を行いました
ちなみに幼稚園の地面は上谷遺跡16区という地域らしいです
専門の職員さんのお話によると
「かなやま幼稚園の場所は山のてっぺんで水はけがよく、地盤が固いということで
安全性や住環境を考慮すると住居(集落)を作るにはもってこいの場所」だそうです

発掘調査当時の様子↓


1500年ほど前の地層が出てきています
いわゆる古墳時代のものでしょうか
思ったより浅いところにありますね…🔍
自分でも掘れちゃいそう👷

白く囲ってある部分が住居跡です🏠
いわゆる竪穴式住居ですね
土の色が濃いのは後から埋まった場所であることを示しています
昔の人が掘った場所→濃い茶色(比較的新しい土)
掘っていない場所 →薄い茶色

↓こんなのが建ってたのね

引用:wikipedia

この盛り上がっている部分はかまどです
こんなにきれいな形で発掘されるのは珍しいことだそうです

上谷小学校の角には上谷遺跡の紹介がされています
ちょっと前まで竪穴式住居のモデルが置いてあったような気がしますが
いつの間にかなくなっていましたね
ちなみにこちらの花壇は中小坂下区の花の会さんがボランティアで植花活動をしています


坂戸市民おなじみの坂戸市文化かるた

戸市歴史民俗資料館に行ってみた
幼稚園内で出てきたものを見させていただけるとのことで
ひとりで社会科見学に行ってきました

門扉の椿もきれいです

稚園で出てきた土器たちの写真
いや、歴史の教科書か と
これは神様へのお供えものとかに(祭ごととか)つかうミニチュア版だそうです
この赤っぽい土器は土師器(はじき)ですね
粘土を野焼きして作られるそうです

この色の違う白っぽい土器はかなり高温で焼く必要があり、
大阪の方からの伝来品の可能性が高いとのこと(これは須恵器かな?)
当時は火力を出すのが難しく、大きな窯は大阪の方にしかなかったとか
陶邑窯跡群(すえむらかまあとぐん)からのものでしょうか
(大阪府にある堺市、和泉市、大阪狭山市にまたがった丘陵地一帯に及ぶ
須恵器などを焼成していた国内で最古、最大規模の窯跡群ですね)
入手するのが困難な品であったそうですよ
土師器は比較的低温で作られるため軟質で煮炊きや食器として、
須恵器は1,000度以上の高温で作られるため硬質で保存や貯蓄に適しているそうです

土器を含めた陶磁器は高温で焼く事で透水性や吸水性が少なくなるんですね
ちなみに磁器に比べて陶器の方が吸水性が高く、雑味を取ってくれるとかで
そばのかえし(つゆの素)を作るときは好んで陶器のかめを使うらしいですよ🐢

ちなみに陶器は土の成分が多いものを指すのに対して、
磁器は石の成分が多いものを指します
・陶器:長石10%、珪石40%、粘土50%程度
・磁器:長石30%、珪石40%、粘土30%程度
だそうです

陶器↓
伝熱性が低いことがメリット
吸水性の高さをメリットととることも
後述の磁器に比べると乳白色になります

磁器↓(厳密に言うとこれはボーンチャイナ(ファインボーンチャイナ))
薄手で軽く、白くて丈夫なことがメリット
確かに白がきれいですね
(ボーンチャイナは磁器で使われる陶土の代わりに骨灰を使っているものを指します)

食器一つでも歴史と人間の技術の進化を感じることができますね

お湯を沸かすようなときに使うらしい

これは槍鉋(鐁)やりがんなといって木材を削る加工をするときに用いるそうです
金属製であるため製鉄技術が発展していない日本では、舶来品として朝鮮半島から輸入して加工していたそうです
こちらも当時極めて希少価値が高く、前述の白っぽい土器と合わせて
手に入れられるのはかなりの有力者がいた地域、集落の証拠になるそうです

木材を通常に燃やしただけだと700℃ほどにしかならないそうですが、製鉄には1,500℃の火力が必要で
当時の日本にはまだそこまでの製鉄技術が備わってなかったそうです
昔の人もこんな感じでやっていたのでしょうか

引用:Dr.STONE 稲垣理一郎/Boichi


土器に関して総じてほぼ完全な形のものがこれほど出てくることは珍しいらしいです
そして今回の発掘の面積ほどでこれほどの量の土器が出てくることはめったにないそうで
(このほかにうまく接合できない破片が4箱分あるらしいです笑)
今回の調査でも新しい発見があったそうで、こういった発見の積み重ねが
教科書の内容等に反映されるとご担当の方がおっしゃっていました📖

子どもたちが日常遊んでいる園庭の足元に
何百年、何千年もの歴史が積み重なっていると思うと
なんだかノスタルジーというかロマンめいたものを感じますね