- KANAYAMA BLOG -

かなやま幼稚園ブログ

園のようす

マラソン練習はじまりました🏃

こんにちは!
今回はマラソン練習の様子をお伝えします🏃
さて、お遊戯会も終わり、今週からはマラソンの練習が始まります!
子どもたちの頑張る様子をお伝えしますので、ぜひご家庭でもお子さんを応援してください💪

児期と長距離走
今月末はいよいよマラソン大会です。
朝晩の空気もだんだん冷たくなり、園庭や園の周りを走る子どもたちの頑張りを応援する時期になりました。

今回は、マラソン大会に合わせて
・幼児期に「マラソン(長く走ること)」がもつ意味
・マラソンをすることでの子どもの身体的メリット
・体力がつくことと、集中力・勉強との関わり
について考えてみたいと思います。

幼児期のマラソンは「速さ」よりも「ねばり強さ」の練習
マラソン大会と聞くと、
「何位になるかな」
「速く走れるかな」
といった“結果”に目が行きがちですが、幼児期の子どもたちにとって、一番大切なのはそこではありません。

子どもにとっての大事なポイントは、例えばこんなところです。
・苦しくなっても、最後まで自分の足でゴールを目指した経験
・「もうやめたい」と思いながらも、もう一歩だけ足を出してみた感覚
・去年の自分、昨日の自分より、少しだけ長く・遠くまで行けた実感
・友だちと「がんばろうね」と声を掛け合いながら走る時間
・ゴールしたあと、「やった!」と、自分で自分を誇らしく思える瞬間

幼児期は、まだ体力も心の器も育っている途中です。
長い距離を走るのは大変なことですし、「もういやだ」と言いたくなる場面があるのもごく自然なことです。
それでも、
「今日は途中で歩いちゃったけど、それでもゴールまで行けた」
「昨日より止まる回数が少なかった」
そうした小さな積み重ねが、「がんばればできるかもしれない」といういわゆる自己肯定感やねばり強さを育ててくれます。

幼児期のマラソンは、速さを競うためというよりも、この「ねばり強さ」「やりきる力」を、身体を通して体験的に学ぶ場です。

マラソンと子どもの身体的成長
ここからは、子どもの“身体”や”成長”に焦点を当ててみます。
マラソンのように少し長く続けて走る運動には、実は幼児期の体にとってさまざまなメリットがあります。

① 心肺機能(心臓と肺)が育つ
マラソンは代表的な「有酸素運動」です。
・心臓がしっかりと血液を送り出せるようになる
・肺が効率よく酸素を取り入れられるようになる
その結果、
・軽い運動程度では息が上がりにくくなる
・かけっこや外遊びでも「すぐに疲れてしまう」が減っていく
といった、いわゆるスタミナの底上げにつながります。

② 筋肉と持久力のバランスが整う
マラソンは、ムキムキの筋肉をつくる運動ではありませんが、
・脚まわりの筋肉
・体幹(お腹・背中)
・姿勢を支える細かい筋肉
をじわじわと使い続ける運動です。

そのため、
・地面をしっかり踏んばる力がつく
・長い時間動き続ける「持久力」が育つ
・走っていても姿勢が崩れにくくなる
という、筋力と持久力のバランスが育ちやすくなります。

③ 骨の成長を助ける
成長期の骨はまだ完全に固まりきっていない、柔らかい状態です。
走るときの「トン、トン」という着地の刺激は骨にとっては適度な負荷となり、
・骨にカルシウムがたまりやすくなる
・将来の“骨の丈夫さ”を支えてくれる
といった効果が期待されるそうです。

④ 姿勢が整いやすくなる
走るときには、
・前を見て走るために目線を上げる
・背筋を伸ばして体を支える
・腕をしっかり振ってバランスを取る
といった動きが自然と必要になります。
これを繰り返すことで、体幹が鍛えられ、猫背気味の姿勢の予防にもつながるとのことです。

タブレットやテレビを見る時間が増えがちな今の時代だからこそ、全身を使って走る時間は、姿勢を整える意味でも効果的です。

⑤ 体温調節・汗のかき方が上手になる
走れば体が温まり、汗もかきます。これを繰り返すことで、
・体温が上がったときに、自分の体でうまく調節する力
・適度に汗をかいて熱を逃がす力
が少しずつ育っていきます。
幼児期はまだ体温調節機能が未熟な時期なので、「運動で汗をかく経験」は、子どもの身体機能の向上に重要です。

⑥ 代謝が上がり、体が軽く感じられる
継続的な運動は血行をよくし、エネルギーの消費量を増やし、基礎代謝を底上げしてくれます。

その結果、
・体がポカポカしやすくなる
・動くことが“苦ではない体”になっていく
という形で、将来の運動習慣や生活習慣病の予防にも、じわじわと良い影響を与えます。

⑦ 免疫力アップ・風邪をひきにくい体づくりに一役
適度な運動習慣があると、血流が良くなり、体の隅々まで栄養や酸素が届きやすくなります。
体温もやや高めに保たれやすく、ウイルスが増えにくい環境づくりにもつながると言われています。
もちろん、運動していれば絶対に風邪をひかない、という話ではありませんが、「よく動く子」と「ほとんど体を動かさない子」では、体のベースづくりに有意な差が顕れるそうです。

⑧ 睡眠の質がよくなる
しっかり走った日は、いわゆる「ちょうど良い疲れ」が残ります。
・寝つきがよくなる
・ぐっすりと深く眠りやすくなる
という意味で、マラソンは睡眠の質を高める手助けにもなります。

子どもにとって睡眠は、成長ホルモンが分泌されて体も脳も育つ“ゴールデンタイム”です。
そこでしっかり眠れるようになることは、心身の発達に直結します。

⑨ 他の運動の「土台」になる
マラソンのような持久走は、
・リズムよく体を動かす
・自分のペースを感じ取る
・体のいろいろな部分を連動させる
という要素を含んでいます。
この「全身の使い方」が身についていると、サッカーやダンス、その他の専門競技等あらゆる運動への入り口が広がります。
「走ることが苦ではない」という感覚は、その後の“運動全般へのハードルの低さ”にもつながります。

体力がつくと、集中力や勉強にもつながる
ここからは、「走ること」と「学び」の話にも少し触れてみます。
よく「体力のある子は勉強もがんばれる」と言われますが、これは根性論ではなく理由があります。
① 体側の余裕が、集中のエネルギーを生む
体力がついてくると、
・長い時間椅子に座っていられる
・同じ姿勢を保っていても、すぐにしんどくならない
・少し疲れても、回復が早い
といった“体の持久力”が育ちます。

逆に体力が足りないと、
・すぐに体が苦しくなってゴソゴソ動きたくなる
・背中や首がつらくなり、姿勢が崩れやすい
・「疲れた…」が先に来て、先生の話が頭に入らない
という状態になりやすくなります。

体力がつくということは、
「体を支えることに使っていたエネルギーの一部を、聞く・考えるほうに回せるようになる」ということでもあります。

② 姿勢を支える力=集中力を支える力
机に向かっているとき、子どもたちは実はかなりの筋力を使っています。
特に、体幹(お腹や背中まわり)の筋肉です。

マラソンや外遊びで体幹が鍛えられてくると、
・姿勢を保つこと自体が、それほどつらくなくなる
・体勢を直すための「モゾモゾ」が少なくなる
その分だけ、「今のお話を聞こう」「この作業をやってみよう」ということに意識を向けやすくなります。

③ 脳への血流がよくなり、頭がスッキリする
マラソンのような有酸素運動は、脳にとっても良い刺激になります。
・血のめぐりがよくなり
・酸素と栄養が脳にしっかり届けられる
ことで、頭がスッキリし、考えるスイッチが入りやすくなります。

大人でも「少し歩いたら気分転換になった」という経験があると思いますが、子どもも同じです。
日常的に体を動かしている子は、活動や学びへの切り替えがスムーズになりやすい傾向があります。

④ ぐっすり眠れて、翌日の学びが深まる
前の章でも触れましたが、よく体を動かした日は、眠りやすくなります。
質の良い睡眠は、
・前の日に学んだことを脳の中で整理する
・新しいことを覚える準備を整える
という役割を持っています。
よく眠れた翌日は、気持ちよく登園でき、活動にも前向きに取り組みやすくなります。

まとめると、マラソンなどで体力がつくことは、単に“走るのが速くなる”という意味にとどまらず、 長く座っていられる持久力や姿勢を支える筋力、ぐっすり眠れるリズムを育てることにもつながります。
そうした土台が整うことで、『集中して話を聞く』『じっくり取り組む』といった学びの力も、少しずつ育っていくというイメージです。

順位はつくけれど
とはいえ、マラソン大会ではどうしても「順位」がつきます。
しかし、「順位だけがすべてではない」ということを前提としながらも、「得意な子が力を発揮できる場」としての側面も持っているということも大事にしています。

・走ることが大好きで、日頃からよく走っている子
・「よーいどん」が得意で、自分の力を試してみたい子
そういったお子さんたちにとって、マラソン大会は、努力の成果を感じたり、友だちと良い意味で競い合ったりできる貴重な機会でもあります。

一方で、走ることがあまり得意ではなかったり、緊張しやすかったりする子もいます。
そうした子にとっては、
・最後まであきらめずにゴールできたこと
・去年よりも前に進めたこと
・苦しくても、歩きながらでも前に進んだこと
といった、その子なりの成長や頑張りに目を向けていきたいです。

マラソンは、「運動が得意な子」のステージの一つです。
別の日にはおゆうぎ会や制作や絵画の活動、歌や楽器、日常の遊びがあるように、それぞれの子の得意なところが輝く場があればと思います。
順位はあくまで「一つの結果」です。
そのうえで、「競い合うことも、楽しさや成長につながる経験の一つ」として、上手に付き合っていけたらと考えています。

マラソン大会の日を
今月末はマラソン大会です。
お子さんには、
・ゴールまであきらめずに走りきったこと
・もし、途中で歩いてもまた走り出せたこと
・友だちと声を掛け合いながらがんばったこと
こうした姿を、ぜひたくさん見つけて言葉にしてお伝えいただけたら幸いです。

「速く走れたかどうか」ももちろん大事なことですが、「お子さん自身がどのように頑張ったか」という視点もそっと添えると、さらに深く子どもたちの心に残るマラソン大会になると思います。

マラソン大会までの間、ぜひご家庭でお子さんの応援をよろしくお願いします。