夏休み中に整備しました
こんにちは!
今回は夏休みに整備した幼稚園の様子をお伝えします🔨
①遊具をきれいにしました
長く使っている遊具は、少しずつ塗装がはがれたり、色あせが見られるようになってきます
今回は、これからも気持ちよく使っていけるように、遊具の塗装を整えてきれいにしました
見た目を整えるだけでなく、安全に使い続けるためにも、日頃から少しずつ手を入れていくことを大切にしています



きれいになりました✨

②壁面も少しずつきれいにしました
園舎の壁面も、木部の地が見えてきているところを中心に塗装してきれいにしました
木部は塗装がはがれたままにしておくと、雨や日差しの影響を受けやすくなり、劣化が進むことでさらに大きな修繕が必要になることもあります
これからも長く大切に使っていけるように、傷みが大きくなる前に少しずつ手を入れています



③「徐行」の看板を修理した
道路で毎日、子どもたちの安全を見守ってくれている「徐行」の看板を修理しました
長く使ってきた看板ですが、これからも安心して役目を果たしてもらえるように、今回は枠組みから作り直しています
今の時代に新しく作ろうと思っても、なかなかこのデザインにはならないような、昔ながらの幼稚園らしい雰囲気のある看板ですので大切にしていきたいですね


④LED照明への交換工事
何期かに分けて進めてきた照明のLED化も、今回の工事ですべてのお部屋の交換が完了しました💡
毎日過ごす場所だからこそ、子どもたちにも先生たちにも、より使いやすい環境になっていたらうれしく思います


幼稚園と色彩
最近、昭和や平成の時代を経て、街の中から少しずつ「色」が減ってきたように感じることがありませんか?
白、黒、グレー、ベージュ。
住宅も、家具も、家電も、車も、お店も。
すっきりとして、落ち着いた色合いのものがずいぶん増えました。
もちろん、こうしたデザインには良さがあります。
統一感があって、整って見える。
何にでも合わせやすく、飽きにくい。
設備であれば、同じ規格、同じ色で揃えることで、購入や補修、管理もしやすくなります。
幼稚園だって、全部同じ色、同じ仕様に揃えてしまった方が、管理は簡単です。
一括して購入することで、経費を抑えられることもあるでしょう。
とても合理的です。
でも、それだけでは少し、ロマンに欠ける気がしませんか?
子どもたちが毎朝門をくぐったときに、
「今日も何か楽しそう」
と、ほんの少しわくわくする場所であってほしい。
そんなことも幼稚園には必要なのではないかと思っています。
● 世の中から色は減っている?
「昔より色が少なくなったような気がする」という感覚は、単なる印象だけでもないようです。
イギリスのScience Museum Groupでは、生活用品や家電製品など7,083点の収蔵品の写真をコンピューターで解析し、年代による色の変化を調べています。
そこで確認された最も大きな傾向の一つが、時代が進むにつれて「グレー」が増えていることでした。
その一方で、茶色や黄色などは減少していました。
研究では、木材から金属やプラスチックへと使われる素材が変化していったことなども、その背景として考えられています。
木には木目があり、一枚の板の中にも濃淡があります。
土、石、煉瓦などにも、それぞれ少しずつ異なる色があります。
ところが工業製品になると、同じ素材、同じ仕上げ、同じ色を大量に作ることができます。
もちろん博物館の収蔵品を調べた研究ですから、これだけで「世界全体から色がなくなった」と断定することはできません。
それでも、私たちが暮らす人工的な環境が、長い時間をかけて均一な色合いへ近づいてきたことを考える、とても興味深い研究です。
● 都市も「グレー」になっている
建築の分野でも、同じような指摘があります。
ドレスデン工科大学の建築研究者Ralf Weberは、2023年に「なぜ私たちの都市はますますグレーになったのか」というテーマを扱った論文を発表しています。
現代の建築では、白やグレーを中心としたモノクロームなデザインが広がってきました。
そこには近代建築の歴史や、素材の変化、建築を「形」から考えるデザイン思想など、さまざまな背景があります。
一方で私たちは、実際の空間を「形」だけで感じているわけではありません。
色があり、素材があり、光があり、それらが組み合わさって、その場所の雰囲気を感じています。
街も、建物も、暮らしの道具も。
私たち大人の世界は、少しずつ落ち着いた色へと向かっているようです。
● 色はただの飾りではない
では、幼児期の子どもたちにとって「色」とは何なのでしょうか。
乳幼児の色覚について、これまでの研究をまとめた2022年のレビューでは、生後間もない頃から半年ほどまでの非常に早い時期に、色を見分けたり、似た色を一つのまとまりとして捉えたりする力が急速に発達していくことが整理されています。
大人にとって、
赤は赤。
青は青。
緑は緑。
それはあまりにも当たり前のことです。
でも、子どもたちは初めから私たちと同じように世界を理解しているわけではありません。
さまざまなものを見て、触れて、比べながら、
「これは違う」
「これは似ている」
という経験を積み重ねていきます。
色もまた、子どもたちが周囲の世界を知っていくための大切な情報の一つなのです。
● 子どもは、色から「気持ち」も感じている
色と子どもの感情との関係を調べた研究もあります。
5歳児と6歳半児、合わせて60人に9種類の色を一つずつ見せ、
「この色を見ると、どんな気持ちになる?」
と尋ねた研究があります。
子どもたちは、それぞれの色に対して自分が感じた気持ちを答えることができました。
・ピンクや青、赤などには肯定的な感情が多く、
・茶色、黒、グレーなどの暗い色には否定的な感情が多いという傾向も確認されています。
もちろん、色の感じ方には一人ひとり違いがあります。
「赤なら必ず楽しい」
「グレーなら必ず悲しい」
という単純な話ではありません。
それでも、色は子どもにとって単なる背景ではなく、何らかの印象や気持ちを伴って受け取られていることが分かります。
● 「ここはどんな場所?」を伝える手掛かりにも
幼児30人を対象として、実際に異なる空間で過ごしてもらった研究もあります。
壁の色や天井の高さなどによって空間に違いを持たせると、そうした違いのある環境では、子ども同士の協力的な行動がより多くみられました。
ここで重要なのは、
「何色に塗れば子どもが成長する」
ということではありません。
色や形、高さなど、その場所にあるさまざまな違いが、
「ここはあちらとは違う場所」
と子どもが空間を理解するための手掛かりになっているということです。
あちらには赤い遊具がある。
こちらには青い遊具がある。
この部屋とあの部屋では、なんとなく雰囲気が違う。
春には花が咲き、
夏には緑が濃くなり、
秋には葉の色が変わる。
私たち大人が何気なく見過ごしているそんな違いも、まだ世界を知っている途中の子どもたちにとっては、一つひとつが経験なのだと思います。
● 幼稚園の意匠も、受け継いできたもの
かなやま幼稚園の園舎をあらためて眺めてみると、いろいろなところに色が使われています。
形にも、色にも、ちょっとした遊びがあります。
今の時代に、これだけ色を使い、にぎやかな意匠の幼稚園を一から設計しようとしたら、きっとかなり勇気のいることだと思います。
そう考えると、この園舎を最初に設計してくださった方は、ずいぶん思い切ったチャレンジをしてくれたのだな、と感じます。
全部を同じ色で整えるのではなく、幼稚園という場所に楽しさや個性を持たせようとしてくれた。
そのおかげで私たちは今も、この園舎がもともと持っているにぎやかな意匠を受け継ぎながら、それを活かしていくことができます。
古くなったところは直し、必要なところは新しくする。
けれど、何でも今風の色に塗り替え、均一にしてしまうのではなく、この幼稚園らしさとして残せるものは残していきたい。
新しくすることと、今ある良さを消してしまうことは、同じではありません。
そんなことも、園舎を手入れするときには考えています。
● 幼稚園くらい、ちょっとわくわくする場所で
かなやま幼稚園には、いろいろな色があります。
園庭の遊具にも色があります。
教室にあるものにも色があります。
絵の具、クレヨン、折り紙にはたくさんの色があり、子どもたちはその中から自分で好きな色を選びます。
そして、子どもたちがつくった作品が並べば、幼稚園はさらに色彩豊かな場所になります。
春の花。
夏の空。
木々の緑。
秋の葉っぱ。
自然の中にも、同じ色は一つとしてありません。
幼稚園で過ごす毎日は、本来、たくさんの色との出会いにあふれています。
だから、建物や設備だけを、大人の感覚ですべて同じ色に揃えてしまわなくてもいいのではないかと思っています。
● 効率だけではつくれないものもある
もちろん、”運営”という性質上、何でも好きなように選べるわけではありません。
設備を新しくするときには、安全性、耐久性、価格、修繕のしやすさも考えます。
同じものをまとめて購入した方が安いこともあります。
同じ色で揃えてしまった方が、管理しやすいこともあります。
経費だけを考えれば、そちらを選ぶ方が正しい場面もあるでしょう。
それでも、効率の良さだけを一つひとつ積み重ねていった先に、本当に子どもたちがわくわくする場所ができるのだろうか。
そんなことも考えるのです。
●だって幼稚園だもの
大人になれば、白い壁、黒い家電、グレーの車、ベージュの家具に囲まれて暮らす時間はいくらでもあります。
だったら幼児期くらい、
赤があってもいい。
青があってもいい。
黄色があっても、緑があってもいい。
「あの色が好き」
「こっちの色、きれいだね」
そんなことを感じる時間があってもいい。
幼稚園は、子どもたちがただ一日を安全に過ごすためだけの場所ではありません。
だって幼稚園だもの。
毎日何かを見つけ、
何かを感じ、
何かを面白いと思い、
少しずつ「好きなもの」を増やしていく場所でもあります。
だから、すべてを効率だけで決めなくてもいい。
少しくらい遊びがあってもいい。
少しくらいロマンがあってもいい。
少しくらい色があって、毎朝ちょっとわくわくしてもいい。
そんな風に考えています。
ぜひ一度、そんな視点で園舎を眺めてみてください。
きっと、これまでとは少し違った色が見えてくるかもしれません。